He Loved Him Madly
https://www.youtube.com/watch?v=3Fc_-VZlkcM
32分あって聴くのが大変
https://open.spotify.com/track/3QOurjjElmPb3Za5iDJytL
10分程度で聴きやすい
イーノが評価したのはマイルスたちの演奏だけではなく、スタジオ空間における音の配置であり、曲構成であり、ミックスなどのプロダクションだった。その実現は録音と編集を担当したプロデューサーのテオ・マセロによるところが大きく、マイルスという絶対的なアイコンが中央に位置しながらも、ワウ・ペダルをかけたトランペットは主ではない。曲が始まって10分以上経過してからようやくドラムはリズムをキープするがまるで扉を隔てて漏れ聞こえてくるかのようであり、他の何れの楽器も中心を成すことはないまま、「He Loved Him Madly」はイーノの言うところの「“ゆったりとした”(spacious)クオリティ」を30分以上も維持した。この楽曲の録音は1974年で、参加ミュージシャンも『In A Silent Way』の頃とは様変わりして、ギタリストのレジー・ルーカスやピート・コージーのようにマイルスの意図をより理解する面々が加わっていた。