He Loved Him Madly
https://www.youtube.com/watch?v=3Fc_-VZlkcM
Miles Davis
Get Up With It収録
32分あって聴くのが大変
Bill Raswellによる抄録版もある
https://open.spotify.com/track/3QOurjjElmPb3Za5iDJytL
10分程度で聴きやすい
タイトルはDuke Ellingtonの口癖 "Love you Madly" にちなんでいる
マイルス・デイヴィスから、環境音楽へ——ジャズの「帝王」が1980年代の日本の環境音楽に与えた影響を探る - TOKION
ブライアン・イーノは、『Ambient 4: On Land』(1982年)のセルフ・ライナーノーツで、フェデリコ・フェリーニの映画『アマルコルド』と並んで、マイルスの1970年代前半のレコーディング・セッション集『Get Up With It』(1974年)収録の「He Loved Him Madly」が、このアンビエント・アルバムを作る上で大きなインスピレーションを与えたと記した。イーノはアンビエントを、「場所の感覚(風景や環境)に関連した音楽」と定義した。
イーノが評価したのはマイルスたちの演奏だけではなく、スタジオ空間における音の配置であり、曲構成であり、ミックスなどのプロダクションだった。その実現は録音と編集を担当したプロデューサーのテオ・マセロによるところが大きく、マイルスという絶対的なアイコンが中央に位置しながらも、ワウ・ペダルをかけたトランペットは主ではない。曲が始まって10分以上経過してからようやくドラムはリズムをキープするがまるで扉を隔てて漏れ聞こえてくるかのようであり、他の何れの楽器も中心を成すことはないまま、「He Loved Him Madly」はイーノの言うところの「“ゆったりとした”(spacious)クオリティ」を30分以上も維持した。この楽曲の録音は1974年で、参加ミュージシャンも『In A Silent Way』の頃とは様変わりして、ギタリストのレジー・ルーカスやピート・コージーのようにマイルスの意図をより理解する面々が加わっていた。